どうりで、息もぴったりなわけで。 | 活字 & 映画ジャンキーのおたけび!

どうりで、息もぴったりなわけで。

【ペーパー・ムーン(映画)】

<1973年・アメリカ>
●監督/ピーター・ボグダノヴィッチ
●出演/ライアン・オニール、テイタム・オニール 他


舞台は1930年代のアメリカ中西部。
母を亡くし、孤児となった少女アディの元へ、
母とつきあっていたという男、モーゼが現れる。
少女はただひとりの身内である叔母がいる
ミズーリへ、男の車で連れていってもらう
ことになるのだが、実は男は詐欺師だった。
男の正体に気づいたアディは、反発するが
次第に打ち解け、詐欺を手伝うようになる…。

典型的なロードムービーなのだが、
主人公が中年男と幼い女の子というのが
おもしろい。
詐欺師なのに、どこか抜けてるモーゼと、
しっかり者のアディのキャラの対比が
いい味を出してる。
アディを演じたテイタム・オニールは撮影時
9才だったということだが、
年齢からは考えられないほどの芸達者ぶりだ。
(ちなみにテイタムは、この作品でアカデミーの
助演女優賞を史上最年少で受賞している)

見た後で知ったのは、テイタムは
モ-ゼ役のライアン・オニールと実際の親子
だったということ。
なるほど、あのナチュラルな空気は、
普段の父と娘のスキンシップがもたらした
ものだったかと納得。

ラブロマンスあり、カーアクションありの
珍道中を通して、モーゼとアディには
たしかな絆が生まれるのだが、
別れの時は迫っていた…。
ちょっぴり切なくて、あと味もさわやか。
誰もが安心して楽しめる映画だ。

しかしテイタムはこの作品の後、
「がんばれベアーズ」ぐらいしか目立った作品がなく、
スクリーンから遠ざかっている。
子役は大成しない、のジンクスにかかってしまった
とすれば、ちょっと寂しい。


■個人的ハマリ度 ★★★★(★5つが最高)