消えない余韻。 | 活字 & 映画ジャンキーのおたけび!

消えない余韻。

【私の頭の中の消しゴム(映画)】

<2004年、韓国>
●監督/イ・ジェハン
●出演/チョン・ウソン、ソン・イェジン 他


韓国映画では日本での歴代ナンバーワンヒット
になった作品。
昨今の定番である「泣ける」を宣伝文句にしてた
けど、見事泣かされてしまった。

テーマは「若年性のアルツハイマー」。
5月には、渡辺謙主演の「明日の記憶」
http://www.ashitanokioku.jp/
も公開されるなど、このところ、この病気を
テーマにした作品が目立つのは、社会的な認知が
高まっていることが背景にあるのかもしれない。

映画は、ふたりの出会いから結婚、妻の発症、
そして別れまでを描いているが、何よりも
主演ふたりの存在感が際だっている。
夫のチョルスを演じたチョン・ウソンは
建築現場で働くガテン系の男にふさわしい
野性味あふれるルックスと体格で、男から見ても
ほれぼれするかっこよさ。
一方、妻のスジン役のソン・イェジンは
「ラブストーリー」などで見せた、
かわいさとはかなさを兼ね備え、次第に記憶を
失っていくという難しい役所を熱演している。

全体としては2時間の中で、ふたりの出会いから
始めているので、少々かけ足の印象がする。
実際の症状が出始めてから進行するまでを、
もっと丁寧に描けていたら、さらに感動が
深まったのにと、そのあたりが残念に思う。

しかし、この映画には必ず泣いてしまうだろうと
思えるポイントがあって、
それはもう涙をこらえるのが難しいほどだ。
とくにチョン・ウソンの泣きっぷりがいい。
ああ、男が泣く時ってこうだよなあと、
思わず、もらい泣きしてしまうのだ。

ラストは、希望のイメージを抱かせるような
展開とともに終わるが、個人的には少々間延び
しているように感じた。
サッと終わった方が、その分余韻があったのでは
ないだろうか。

バッティングセンター、コンビニなど、
身近な場所が舞台になっていて、
その分、自分のすぐ隣の物語として見れる。
見た後、ファミリーマートでコーラを
買いたくなった。
何のことって?それは見てのお楽しみ。


■個人的ハマリ度 ★★★★(★5つが最高)
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