カラダは、口ほどに物を言う。 | 活字 & 映画ジャンキーのおたけび!

カラダは、口ほどに物を言う。

【マシニスト(映画)】

<2004年、スペイン・アメリカ>
●監督/ブラッド・アンダーソン
●出演/クリスチャン・ベール、ジェニファー・ジェイソン・リー 他


DVDジャケットの、やせ細った男のインパクトに
何の予備知識もなしに見たが、思わぬ拾い物だった。

機械工のトレバーは、不眠症に悩まされ、
もう1年も眠っていない。体はガリガリにやせ、
集中力も散漫になっていた。
そんなある日、職場でアイバンという名の
見知らぬ男が声をかけてくる。
アイバンの不審な行動に気をとられたトレバーは、
同僚に大怪我をさせてしまう。
しかし職場の誰もが、アイバンなどという男は
ここにはいないと口にする…

冒頭から登場する主人公、トレバーの劇ヤセぶりに
まず驚く。ほんとに骨と皮だけという表現が
ぴったりなほど。そしてこれを演じているのが、
クリスチャン・ベールだと知って再びびっくり。
クリスチャン・ベールといえば、
バットマン・ビギンズで主役のバットマンを
演じるなど、いま注目の俳優。
もともと筋肉質のひきしまった体型だったとはいえ、
言われなければ、同一人物とは思えない変身ぶりだ。
役者が役づくりで太ったり、やせたりというのは
よくあるが、ここまでの例は聞いたことがない。

ストーリーは中盤ぐらいで、オチが予想でき、
後から考えると、やや?と思える部分もあったが、
睡眠不足のトレバーが見た世界を
イメージしたような、ちょっとブルーがかった
映像がなかなかいいムードを出していて、
最期まで楽しめた。

なにわともあれ、細かいことは、あのカラダを
見れば、まあいいか、と思えてしまう。
肉体の持つ説得力が、全編を覆っているのだ。


■個人的ハマリ度 ★★★★(★5つが最高)
アミューズソフトエンタテインメント
マシニスト