2005年マイベスト | 活字 & 映画ジャンキーのおたけび!

2005年マイベスト

今年もなんだかんだと本を読み、映画を見た。
その中での個人的ベスト(順位はつけず)。


まずは映画

●奇蹟の海
この監督のテーマはつねに一貫している。
「迫害される者の愛」。ラストの救いにホッ。

●日の名残り
煮え切らない男の誇りと悔恨。
しかし誰しも思い当たる心情に共感。

●いま、会いにゆきます。
ラスト15分が圧巻。ジグソーパズルが
組み合わさっていくがごとく押し寄せる感動。

●運命を分けたザイル
崇高な人間の精神力に、手に汗かきっぱなし。
フィクションではこの迫力は生まれない。

●電車男
脚本、演出、俳優、みんないい仕事してるなあ。

●青春の殺人者
70年代の、どこか鬱屈した空気が全編に漂う。
水谷豊がとにかくかっこいい!

●1リットルの涙
ドラマよりも映画版の方が印象に残った。
主演の大西麻恵の熱演が光る。

●ごめん
小学生の恋を、関西弁のユーモアをまじえ、
詩情豊かに描写。もう応援せざるを得ない。

●チャンス
ある種のファンタジー。よくある設定だが、
抑えぎみの演出がいい味を出している。

●飢餓海峡
力作の一言。3時間の長編なのに、
よそ見をしている暇がない緊迫感。

●アダプテーション
ものすごい凝った構成なのに、
スッと心に入ってくるテクニックに驚嘆!

●オープンウォーター
アイデアの勝利!この手のモノは一回しか
使えないが。本物のサメに挑んだ勇気にも拍手。


続いて本

●対岸の彼女(著者:角田光代)
直木賞受賞作。女二人の友情をリアルに、
クールに描く。ふたりの距離感が抜群にいい。

●明日の記憶(著者:荻原浩)
映画化も決定。夫婦の絆の強さ。これほど
悲しくも美しいラストシーンは記憶にない。

●幸福な食卓(著者:瀬尾まいこ)
読みやすいのに、とんてもなく深いものを
秘めている。作者のあたたかい目線に癒される。

●重力ピエロ(著者:伊坂幸太郎)
シャープでクールな文体に酔いしれる。
父親が発した最後の言葉は、あまりに重い。

●暗いところで待ち合わせ(著者:乙一)
これも映画化が決定。ヒューマンな乙一に
驚いた。どこまで多芸なんだ。

●東京タワー(著者:リリー・フランキー)
これは愛についての本だ。その愛が問いかける。
あなたの愛はどうですか?

●凍(著者:沢木耕太郎)
自然は偉大だ。だがそれに挑む
ちっぽけな人間も、また偉大だ。


来年も、たくさんのいい本、映画との
出会いがありますように。