スクールウォーズ、フレンチ風味。 | 活字 & 映画ジャンキーのおたけび!

スクールウォーズ、フレンチ風味。

【コーラス(映画)】

<2005年、フランス>
●監督/クリストフ・バラティエ
●出演/ジェラール・ジュニョ、ジャン=バティスト・モニエ 他


本国フランスで、あの「アメリ」を超える
史上最高のヒットを記録したとか。
「ニュー・シネマ・パラダイス」で映画監督役
として出演したジャック・ペランが、
今度は世界的な指揮者役として登場。
彼が少年時代を回想するカタチで、物語は始まる。

1949年、音楽教師マチューは「池の底」という
名の寄宿舎に赴任する。この学校には、
親をなくした子供や素行に問題のある子供たちが
集団生活をしていた。
荒れた学校を建て直すために、マチューは合唱団を
結成し、歌う喜びを教えていく。
最初は面白半分だった子供たちも、マチューの
情熱に、次第に歌の魅力にとりつかれていく…

素直に、いい映画だと思う。
荒れた学校を舞台に、教師が何かを通して、
子供たちに自分を信じる大切さを伝えていくと
いう設定は、コーラスをラグビーに置き換えれば
あの「スクールウォーズ」と重なる部分もある。
もっとも、フランス映画だけに、あのドラマの
ような、ねばっこく暑苦しいものはなく、
さらっとおしゃれな描き方だけど。

ストーリー自体は、まあよくあるベタなもの
だけど、少年たちの歌声は一見(一聴?)の価値あり。
劇中で合唱をしているのは
リヨンのサン・マルク少年少女合唱団。
中でもボーイソプラノを演じ、“奇跡の歌声”と
賞される、ジャン=バティスト・モニエの
印象は鮮烈だ。

映画は、うまくいきかけたかに見えた
合唱が、ある事件をきっかけに
急展開を迎えて幕を閉じる。
ここの描写もあっさりぎみ。
どうも、もっとたたみかけてくれたら、
あと一歩突っ込んでくれたら泣けるのに…
というところで、すっと引いてしまうので、
物足りなさが残るのも事実。
スクールウォーズの、あのギトギト感が
欲しいとも思ってしまった。


■個人的ハマリ度 ★★★(★5つが最高)
アミューズソフトエンタテインメント
コーラス コレクターズ・エディション