超B級テイストを、超A級グレードでデコレート。 | 活字 & 映画ジャンキーのおたけび!

超B級テイストを、超A級グレードでデコレート。

【宇宙戦争(映画)】

<2005年、アメリカ>
●監督/スティーヴン・スピルバーグ
●出演/トク・クルーズ、ダコタ・ファニング 他


いやー、予想していたとはいえ、
やっぱりこれは、バカ映画だった。
もっとも、単なるバカ映画でなく、
監督、俳優、映像、それぞれ超一流で固めた上で、
あえてB級に徹した、確信犯的なバカ映画だ。

アメリカ国内で、稲光が何度も地上にまで
達するという異変が起きていた。
ある日、港湾労働者レイの住む街で、
地底から突然、巨大な異星人が姿を現す。
レイは別れた妻から預った子供たちとともに
必死に逃げるが、異星人は街を破壊し尽くし、
レイらに迫り来る…

前半の異星人の出現から、パニックになった
人々がなす術もなく、ビームによって次々に
殺戮されていく様子は、さすがに息を飲む迫力。
このあたりの得体の知れない恐怖を描かせたら
スピルバーグが天下一品なのは、ジョーズや激突
時代からの折り紙付きだ。

しかし異星人のあのデザインはどうなんだろ?
映画の展開を考えると、具体的に姿を見せざるを
得ない以上、なんらかのカタチを与える必要が
あるのだろうが、なんかオマヌケな印象で、
怖いというよりも、笑ってしまう。
それにガンガン地球を破壊しまくっていると
思ったら、なんだか妙に神経質な面もあったり…
まあこのあたり、突っ込み出したらキリがないので
やめておこう。

しかしこの監督は、相変わらず人間ドラマを描く
のが苦手(というか興味がない?)だなあ。
家族の愛とか絆を宣伝文句に使ってたけど、
そっちはあくまで、ほんのおまけに過ぎない。
スピルバーグに言わせれば、そんなものを
見る映画じゃないでしょってところだろうが。
なにわともあれ、一見の価値はありと言っておこう。
いや、一回見れば十分って意味で。(笑)


■個人的ハマリ度 ★★★(★5つが最高)
パラマウント・ホーム・エンタテインメント・ジャパン
宇宙戦争