カリブ海ふたりぼっち。 | 活字 & 映画ジャンキーのおたけび!

カリブ海ふたりぼっち。

【オープン・ウォーター(映画)】

<2003年、アメリカ>
●監督/クリス・ケンティス
●出演/ブランチャード・ライアン、ダニエル・トラヴィス 他


もしサメの泳ぐ大海原に取り残されてしまったら…
これは、そんな考えただけでゾッとする、
実際に起こった出来事を映画化した作品だ。

カリブ海での観光ダイビングを楽しんでいた
夫婦が海上に上がると、そこに待っている
はずの船の姿はどこにもなかった。
実は、船のスタッフがダイバーの人数を
数えまちがえ、もう引き上げていたのだ。
いくら待っても、船は戻ってこない。
通りかかる別の船に必死でサインを送っても
気づいてもらえない。
やがて足下を、いくつものサメの影が
回りはじめる。
太陽が沈み、周囲が闇に覆われて…

およそ考えられる「絶望的な状況」の中でも
これはかなり上位に入るのでないか。
最初は楽観的だったふたりだが、自分たち
が置かれている状況を理解するに到り、
嘆き、怒り、互いに責任を押し付けあう。
実際、こんなことになれば、自分も同じことを
するだろうなと思わずにいられないのは、
やはりこれが事実に基づいているという
リアリティのせいだろうか。

結末は見てのお楽しみだが、
メイキングを見て驚いたのは、撮影には
本物のサメが使われ、スタントなしで
役者が実際にサメと共演していることだ。
文字通り命がけの撮影。
役者魂の成せる技と言えばそれまでだが、
自分だったら絶対お断りだ。(笑)
シーンのほとんどが海、
出演者も、ほぼふたりという、
シンプルが故に難しい設定を
一気に見せる演出もなかなかのもの。


■個人的ハマリ度 ★★★★(★5つが最高)
ポニーキャニオン
オープン・ウォーター