ブランドという名のチカラ | 活字 & 映画ジャンキーのおたけび!

ブランドという名のチカラ

【サニーサイドアップの仕事術】 

●著者 :峰 如之介
●出版社:日経BP社(2005.01 発行)
●価格 :¥1,575


中田英寿、北島康介、杉山愛、
乙武洋匡、大黒摩季…
彼らは、ある共通項でつながっている。
それは、いずれもサニーサイドアップが
マネジメントしているということだ。

僕がサニーサイドアップという変わった名を
はじめて目にしたのは、もう5、6年前、
まだ開設して間もない中田英寿の
サイトの中だった。
ヒデはその中で再三、サニーサイドアップ社長
である次原悦子さんの名をあげ、
その密接な関係を感じさせていた。

しかしサニーサイドアップはもともと
マネジメントを本業でやっていたわけではなく
PR業務を主として設立された会社だ。
PRとは広告と似ているようで、かなり違う。
広告がCMやポスターなどで、ターゲットに
ダイレクトにアピールしていくものだとすると、
PRは、例えばある新商品が出ると、
それをマスコミに伝え、ニュースや記事で
紹介してもらうことがねらいの、
どちらかといえば、間接的なアピール方法だ。
しかし広告に比べ、それほど企業色が出ない面が、
客観性となって信頼度を増し、
うまくはまれば絶大な効果を生むのだ。

サニーサイドアップはそのようなPR業務で培った
ノウハウを、人に対して適用する。
すなわち、人、タレント(才能)の
ブランド化である。
その戦略はキーマンである中田英寿に
対して象徴的に行われる。
nakata.netの開設、斬新なコンセプトを伴った
CM・出版・テレビ番組への取り組み、W杯期間中の
中田カフェの設置、そして世間をアッと言わせた
東ハトの執行役員就任。

本書にはサニーサイドアップが、
ブランドというものをいかにとらえ、
人に、企業に活かしてきたかが、
余すことなく、ドラマチックに描かれている。
「楽しい騒ぎをおこしたい」。
サニーサイドアップが掲げるスローガンだ。
読んでいて、そのスローガンそのままに、
躍動する社内の息づかいが
聞こえてくるような気がした。
ワクワクしながら一気に読了。


■個人的ハマリ度  ★★★★(★5つが最高)
著者: 峰 如之介, 山崎 祥之
タイトル: サニーサイドアップの仕事術