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ゲーム

 のゲームは、おもしろく、かつ、あっと驚く結果を貴方にもたらすでしょう。約束してください。絶対に先を読まず、1行ずつ進む事。たったの3分ですから、ためす価値ありです。まず、ペンと紙をご用意ください。先を読むと願い事が叶わなくなります。1)まず、1番から11番まで縦に数字を書いてください。2)1番と2番の横に好きな3~7の数字をそれぞれお書きください。3)3番と7番の横に知っている異性の名前をお書きください。(必ず、興味のある人の名前を書く事。)4)4、5、6番の横それぞれに、自分の知っている人の名前をお書きください。(これは、家族の人でも知り合いや友人、誰でも結構です。)まだ先を見てはいけませんよ!!5)8、9、10、11番の横に歌のタイトルをお書きください。6)最後にお願い事をしてください。さて、ゲームの解説です。1)このゲームの事を2番に書いた数字の人に伝えてください。2)3番に書いた人は貴方の愛する人です。3)7番に書いた人は好きだけど叶わぬ恋の相手です。4)4番に書いた人は貴方がとても大切に思う人です。5)5番に書いた人は貴方の事をとても良く理解してくれる相手です。6)6番に書いた人は貴方に幸運をもたらしてくれる人です。7)8番に書いた歌は3番に書いた人を表す歌。8)9番に書いた歌は7番に書いた人を表す歌。9)10番に書いた歌は貴方の心の中を表す歌。10)そして11番に書いた歌は貴方の人生を表す歌です。これを読んでから、1時間以内にブログに貼り付けなさい。そうすれば、貴方の願い事は叶うでしょう。もし、送らなければ、願い事と逆の事が起こるでしょう。とても奇妙ですが、当たってませんか?

どうりで、息もぴったりなわけで。

【ペーパー・ムーン(映画)】

<1973年・アメリカ>
●監督/ピーター・ボグダノヴィッチ
●出演/ライアン・オニール、テイタム・オニール 他


舞台は1930年代のアメリカ中西部。
母を亡くし、孤児となった少女アディの元へ、
母とつきあっていたという男、モーゼが現れる。
少女はただひとりの身内である叔母がいる
ミズーリへ、男の車で連れていってもらう
ことになるのだが、実は男は詐欺師だった。
男の正体に気づいたアディは、反発するが
次第に打ち解け、詐欺を手伝うようになる…。

典型的なロードムービーなのだが、
主人公が中年男と幼い女の子というのが
おもしろい。
詐欺師なのに、どこか抜けてるモーゼと、
しっかり者のアディのキャラの対比が
いい味を出してる。
アディを演じたテイタム・オニールは撮影時
9才だったということだが、
年齢からは考えられないほどの芸達者ぶりだ。
(ちなみにテイタムは、この作品でアカデミーの
助演女優賞を史上最年少で受賞している)

見た後で知ったのは、テイタムは
モ-ゼ役のライアン・オニールと実際の親子
だったということ。
なるほど、あのナチュラルな空気は、
普段の父と娘のスキンシップがもたらした
ものだったかと納得。

ラブロマンスあり、カーアクションありの
珍道中を通して、モーゼとアディには
たしかな絆が生まれるのだが、
別れの時は迫っていた…。
ちょっぴり切なくて、あと味もさわやか。
誰もが安心して楽しめる映画だ。

しかしテイタムはこの作品の後、
「がんばれベアーズ」ぐらいしか目立った作品がなく、
スクリーンから遠ざかっている。
子役は大成しない、のジンクスにかかってしまった
とすれば、ちょっと寂しい。


■個人的ハマリ度 ★★★★(★5つが最高)
 

美しき日本、日本人。

【蝉しぐれ(映画)】

<2005年・日本>
●監督/黒土三男
●出演/市川染五郎、木村佳乃  他


「たそがれ清兵衛」「隠し剣 鬼の爪」など、
このところ映画化が相次ぐ、藤沢周平作品。
その最高傑作と言われるのが本作だ。

下級武士の家に生まれた牧文四郎は、
実直な父を尊敬して暮らしていたが、
武家の派閥争いに巻き込まれた父は、
切腹の刑に処せられる。
そんな折、互いに心寄せる隣家の娘、
ふくが、想いを伝えられぬまま、
江戸へと旅立ってしまう。
やがて青年へと成長した文四郎に、
非情な命令が下される。
その命の主は、かつて父を死に追いやった
人物だった…。

雪景色や清流、青空とコントラストを
描く稜線、田畑を染める夕陽など、
四季折々の日本の風景が盛り込まれた映像が、
本当に美しい。
そんな中、繰り広げられる人々の物語。
登場人物はセリフは控えめながら、
その表情が心の内を語りかけてくる。
きっと、これが藤沢周平の世界に違いない。
監督の黒土三男は、この映画の前に、
NHKのドラマ版の脚本も手掛けている。
よほど、この作品に惹かれるものがあったんだろう。
(関係ないけど、あの長渕剛のヒットドラマ
「とんぼ」も彼の脚本だったりする)

主演の市川染五郎は、歌舞伎俳優だけあって、
立ち振るまいや太刀さばきなど、
さすが堂に入ったもので、
凛とした存在感を放っている。
父親役の緒方拳も、いぶし銀の存在感。
また木村佳乃が、こんなに
着物姿が似合うとは思わなかった。
ただ、友人役の今田耕治だけは、
そこだけコントみたいで浮いていた。(笑)

親子の絆や友情など、
いくつものテーマがからんでいるけど、
その主軸となるのは、文四郎とふくとの恋だ。
年月を経て、意外な形でふたりが再会する場面。
交錯する視線が、熱くもせつない。
ラストのふたりのやりとりは、
思わずセリフをメモしたくなるほどの名シーンだ。
「日本男児、やまとなでしこ、ここにあり!」
と叫びたくなった。

こういう映画に心打たれるようになったのは、
自分が年を取ったからなのか、
それとも、どこかに残っている日本人としての
DNAが、時代とともに失われてしまった物語に
共鳴するからなのだろうか。
今度はぜひ、原作も読んでみよう。


■個人的ハマリ度 ★★★★(★5つが最高)
ジェネオン エンタテインメント
蝉しぐれ プレミアム・エディション

 

エールは届いているか。

【東京大学応援部物語(本)】 

●著者 :最相葉月
●出版社:集英社(2003. 9 発行)
●価格 :¥1,575


作者が、東大の応援団に1年間密着して
書き上げたルポ。
いやー、熱い本だ。
文章はこの人の持ち味である、
クールで知的なものなんだけど、
何せ主人公は応援団。
熱いというか、暑苦しい男たちが、これでもかと
いうくらい拳を振り上げ、魂の雄叫びをあげる
様子が、臨場感たっぷりに描かれているので、
おのずと、こちらにもその激情が乗り移って
くるような思いになるのだ。

応援団といっても、東大ともなると
他とひと味違うのではないか?
そんな先入観もあったが、やはり応援団は応援団。
伝統としきたり、鉄拳制裁も当然の絶対的な上下関係、
厳しい日々の練習など、
イメージ通りの姿がそこにはある。

しかし東大の応援団には、ある特殊な事情がある。
それは、ほとんど勝つ喜びを得られないということ。
私大と違って、東大にはスポーツ推薦などは
もちろんなく、スポーツ部においての
力の差は歴然としている。
六大学野球などを見ても、完全なお荷物状態だ。
しかし彼らは、そんな状態であっても
例え9回の時点で10点差をつけられ
負けていたとしても、東大の勝利を信じて、
旗を掲げ、声を振り絞るのだ。

無論、彼らもそんな状況を無条件に
受け入れているわけではない。
自分たちは何のために応援しているのか?
結局は自己満足に過ぎないんじゃないか?
声を枯らしてスタンドに立つその傍らでは、
そんな疑問、葛藤が現れては消えているのだ。
しかしその心の声も、数少ない勝利の
興奮と喜びの前には、一瞬にかき消される。
連敗に耐え、東大野球部が立教に勝つシーンは
手に汗握り、目頭を熱くして読んだ。

これだけ誰かのために、全てをかけて
応援したという事実は、大きな自信となって
以後の人生を切り開いていく
エネルギーになるにちがいない。
人を応援できる者が、自分を信じられない
わけがないのだから。


■個人的ハマリ度  ★★★★(★5つが最高)
最相 葉月
東京大学応援部物語


誰でも一本の映画は撮れる。

【普通の人々(映画)】

<1980年・アメリカ>
●監督/ロバート・レッドフォード
●出演/ドナルド・サザーランド、ティモシー・ハットン 他


ロバート・レッドフォードの監督デビュー作にして、
いきなりのオスカーをもたらした名作。
ずいぶん昔に見た記憶はあるのだが、
どんな内容だったか、ほとんど覚えていなかった。
今回あらためて見て思ったのは、
これはある程度、年齢を重ねた者の方が、
感じ得る映画だろうなということだ。

一見なんの問題もないように見える、
ありふれた一家は、実はある闇を抱えていた。
長男がボート事故で亡くなり、
同じ事故で助かった次男は、罪の意識にさいなまれて
自殺未遂を図るなど、精神を病んでしまっていた。
父と母は、次男に気を配りながら、
自分たちの本心を隠しながら暮らしていた。
そして家族の間のひずみは、
次第に大きく、深くなっていく…。

序盤は、これといって何も起きない。
平坦な展開が続き、見るのに集中力がいるが、
次第に過去に起った事件、そして家族の間に
見え隠れする真意がわかってくるにつれて、
何ともいえない緊張感に襲われた。
表面をとりつくろった親子の会話、
笑っていても、うつろなままの次男の目、
静けさに包まれた映像の下でうごめく、
それらの狂気が、見る者の胸を息苦しくさせる。
そして、追いつめられた次男が、
カウンセラーを前に、誰にも見せなかった心の声を、
一気にぶちまけるシーンは、それまでのタメが
あった分、鳥肌が立つ思いだった。
安易なハッピーエンドにしていないのも、
この映画ではかえって納得できる。

こういった繊細な映画は演出が極めて重要だが、
レッドフォードは、監督第1作にして、
すでに抜群の冴えを見せている。
名優としての長い歩みは、
知らず知らずに映画の息遣いを、
その身に宿らせていたのだろう。

「誰でも一冊の本は書ける」
よく聞く言葉だが、それでいくと、
どの人生にも、一本の映画になりうる
ドラマが必ず潜んでいる。
そのことを、この映画のタイトルは物語っている。


■個人的ハマリ度 ★★★★(★5つが最高)
パラマウント・ホーム・エンタテインメント・ジャパン
普通の人々

 

旅は続くよ、人生へ。

【モーターサイクル・ダイアリーズ(映画)】

<2004年・アメリカ他>
●監督/ウォルター・サレス
●出演/ガエル・ガルシア・ベルナル、ロドリゴ・デ、ラ、セルナ 他


キューバの革命家、チェ・ゲバラの
若き日の旅をつづったロードムービー。
個人的には学生時代、日本史を専攻していたことも
あり、このチェ・ゲバラという人については、
名前ぐらいしか知らなかった。

医学生のゲバラは、友人とのバイクの相乗りで
南米縦断の旅に出る。
悪天候やバイクの故障など、
幾多のトラブルを乗り越え、つかのまの
ロマンスをも育みながら、バイクは走る。
旅を通して、さまざまな人々の暮らし、
そして、その中にある苦しみに触れたゲバラは、
次第にこれからの自分の生きる道を模索する
ようになる…。

前半と後半で、ガラリと空気が変わる。
最初は、ただの脳天気な野郎2人の、
お気楽バイク旅行という感じで、
画面もひたすら明るい。
いく先々で、ナンパする女の子ともあっという
間に仲良くなって
「おいおい、うまくいきすぎだろ!」
とつっこみたくなるほど。
しかし後半になると、持病のぜんぞくの発作で
死にそうになったり、ハンセン病の施設を訪ね、
患者と交流したりと、かなり重い色合いが
濃くなっていく。

この旅が、何かの目的があって始められたものでは
ないのだろうが、結果として、それは革命家、
ゲバラの誕生の転機をもたらせた。
流れる風景とともに、ロードムービーが描くのは、
そういった主人公の心の軌跡だ。
しかしこの映画にあっては、その変化がどうも
くっきりと見る方に伝わってこない。
まあ、向かうべき新しい人生の入り口に
主人公が立ったところで物語は終わるわけだから、
それも致し方ない面もあるが、
これは日記が原作というのもあるかしれない。
何となくエピソードが切れ切れで、
散漫な印象がするのだ。
事実に忠実に作ったというところだろうが、
欲をいえば、もう少し映画的でドラマチックな
脚色があってもいい気がする。

それでも、マチュピチュやインカの遺跡、
アンデスの雪山など、歴史と自然に彩られた南米の
景色を満喫できるのは、理屈ぬきに楽しい。


■個人的ハマリ度 ★★★(★5つが最高)
アミューズソフトエンタテインメント
モーターサイクル・ダイアリーズ 通常版

 

男もうなずく、「女の子」ゴコロ。

【永遠の出口(本)】 

●著者 :森 絵都
●出版社:集英社文庫(2006.2 発行)
●価格 :¥580


はじめて読んだけど、この著者はもともと児童文学
でデビューし、その分野ではすでに多くの傑作を
書いている人で、入試問題に作品が
使われたことも何度もあったとか。
その著者がはじめて書いた、大人向けの小説が本作だ。
もっとも最近は小説のジャンルレス化は進んでいて
児童文学でいえば、あさつあつこの「バッテリー」
が大ヒットしたことも記憶に新しい。
やはり、いいものに大人も子供も関係ないのだ。

本作は、ひとりの少女の小学校3年から高校卒業
までの歩みを、連作短編の形でつづった物語だ。
一読した感想は「わかるわかる」だ。
主人公は女の子(しかも若い!)だけど、おっさん
である自分にも、その感覚や行動に共感できるのだ。
もしかしたら、子供の時は、
男でも女でもなく、あくまで同じ
「子供」であるからなのかもしれないけど、
主人公が中学、高校と成長していっても
この「わかる」というのは消えないのだ。

これはひとえに、綿密にして繊細な
主人公の心理描写によるものだろう。
主人公の両親や姉への目線、友達や恋人への微妙な
思いなど、誰もが「ああ、これってあるよなあ」と
思わずにはいられないリアリティがあるのだ。
それ故に、時にグサッ!とつき刺さるような鋭さで、
主人公の痛みが伝わってきて、それほどドラマチック
な場面でもないのに、何度かジーンときてしまった。

加えて個人的には、作者が同世代ということもあり、
出てくる流行アイテムがなつかしさをくすぐり、
共感度アップにつながっている部分もある。
でも、さすがに新沼けんじのファンの女の子は
当時いなかったけどなあ…。
それって、一世代前の気がするんだけど。(笑)

文章や構成も思わず「座布団三枚!」と
言いたくなるほどうまい。
これは、他の作品も要チャックだ。


■個人的ハマリ度  ★★★★(★5つが最高)
森 絵都
永遠の出口


終着駅に、光はあるか。

【ミッドナイト・エクスレス(映画)】

<1978年、アメリカ>
●監督/アラン・パーカー
●出演/ブラッド・デイビス、アイリーン・ミラクル 他


なんだか、いやに尾を引く映画だ。
ひとことで言えば「脱獄もの」なのだが、
「大脱走」や「ショーシャンクの空に」といった
他の同ジャンル作品と決定的に違うのは、
この映画が実話を元にしているという点だ。
それだけに、全編に重苦しい空気が漂う。

主人公のアメリカ青年は、トルコから
アメリカへの帰国時、飛行機に乗り込もうとした
ところで麻薬所持で逮捕、
トルコの刑務所に収監される。
異国の閉ざされた世界で、何とか数年間の
服役期間を終えて出所しようとしていた彼に
下されたのは、前回の判決を破棄し、新たに
懲役30年を課すという信じがたいものだった。
青年は絶望の淵で、何とか脱出を試みる…

実際に麻薬を持って出ようとしていたことは
事実なのだから、自業自得といえばその通りなの
だが、それでも突然、懲役30年をプラス
される理由にはならない。
この判決には、当時のトルコの麻薬事情、そして
アメリカとの間の政治的なかけひきとして
利用されたという背景があるらしい。

言葉の壁に加えて、ひとクセもふたクセも
ある囚人たち、そして横暴きわまりない刑務官。
異国の地で囚われの身となった者の、
いいようのない不安が、画面からにじみ出ている。

「ミッドナイト・エクスレス」とは、
現地で「脱獄」を意味する隠語なのだとか。
余談だが、あの沢木耕太郎の名著「深夜特急」は
この作品を見た作者が、自分も旅先であの主人公
のようになっていたかもしれない、
という戦慄を覚えたのが、執筆のきっかけで、
タイトルもこの映画から取ったと、以前書いていた。

命がけの脱獄を試みた主人公は、
果たして光を見ることができるのか。
この映画には先に挙げた脱獄もののような
爽快感はない。しかしまちがいなく、
見た者の記憶に長く、深くとどまる。


■個人的ハマリ度 ★★★★(★5つが最高)
ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
ミッドナイト・エクスプレス

 

S(少し)、F(不思議)な、家族の物語。

【凍りのくじら(本)】 

●著者 :辻村深月
●出版社:講談社ノベルス(2005.11 発行)
●価格 :¥1,040


あの藤子・F・不二雄は、
SFを【サイエンス・フィクション】でなく、
【S(少し)、F(不思議)】と捉えて、
その通り、幾つもの少し不思議な物語を紡ぎ出した。
この小説には、その藤子・F・不二雄の代表作である
「ドラえもん」のエッセンスが各章に盛り込まれ、
サブタイトルも「どこでもドア」「カワイソメダル」
「どくさいスイッチ」など、秘密道具の名前に
なっている。

高校生の芦沢理帆子は、入院中の母とふたり暮し。
藤子・F・不二雄を愛するカメラマンの父・光は
5年前に失踪したまま、行方不明になっていた。
そんな理帆子の前に、別所あきらという一人の
青年が現れる。彼との交流を通して、傷ついた
理帆子の心は、少しずつ癒されていくのだが…

繊細で透明感あふれる文章が、心地いい。
心理描写も巧みで、主人公、理帆子の心の起伏が
手に取るように伝わってくる。
ドラえもんの秘密道具、そして藤子作品の
世界観との絡ませ方もうまい。
そして、読み終わってはじめて気づくのだ。
そうか、これはやっぱり、
S(少し)、F(不思議)なんだ、と。

ただタイトルについては、ちょっと?
読み通した時の印象と、タイトルが結びつかない。
中でそれについての説明はあるんだけど、
ここまでドラえもん的エッセンスで通すなら、
タイトルもそれっぽい方が良かったのでは。

最後に参考資料がこう挙げられている。

「ドラえもん」全45巻
「大長編ドラえもん」
及び、そこに流れる哲学と優しさの全て。

作者、よっぽどドラえもんが好きなんだろうなあと
同じ藤子ファンとして、なんだかうれしかった。
今回はじめて読んだ作家だけど、
この、やわらかくも鋭い感性には今後も注目したい。


■個人的ハマリ度  ★★★★(★5つが最高)
辻村 深月
凍りのくじら


消えない余韻。

【私の頭の中の消しゴム(映画)】

<2004年、韓国>
●監督/イ・ジェハン
●出演/チョン・ウソン、ソン・イェジン 他


韓国映画では日本での歴代ナンバーワンヒット
になった作品。
昨今の定番である「泣ける」を宣伝文句にしてた
けど、見事泣かされてしまった。

テーマは「若年性のアルツハイマー」。
5月には、渡辺謙主演の「明日の記憶」
http://www.ashitanokioku.jp/
も公開されるなど、このところ、この病気を
テーマにした作品が目立つのは、社会的な認知が
高まっていることが背景にあるのかもしれない。

映画は、ふたりの出会いから結婚、妻の発症、
そして別れまでを描いているが、何よりも
主演ふたりの存在感が際だっている。
夫のチョルスを演じたチョン・ウソンは
建築現場で働くガテン系の男にふさわしい
野性味あふれるルックスと体格で、男から見ても
ほれぼれするかっこよさ。
一方、妻のスジン役のソン・イェジンは
「ラブストーリー」などで見せた、
かわいさとはかなさを兼ね備え、次第に記憶を
失っていくという難しい役所を熱演している。

全体としては2時間の中で、ふたりの出会いから
始めているので、少々かけ足の印象がする。
実際の症状が出始めてから進行するまでを、
もっと丁寧に描けていたら、さらに感動が
深まったのにと、そのあたりが残念に思う。

しかし、この映画には必ず泣いてしまうだろうと
思えるポイントがあって、
それはもう涙をこらえるのが難しいほどだ。
とくにチョン・ウソンの泣きっぷりがいい。
ああ、男が泣く時ってこうだよなあと、
思わず、もらい泣きしてしまうのだ。

ラストは、希望のイメージを抱かせるような
展開とともに終わるが、個人的には少々間延び
しているように感じた。
サッと終わった方が、その分余韻があったのでは
ないだろうか。

バッティングセンター、コンビニなど、
身近な場所が舞台になっていて、
その分、自分のすぐ隣の物語として見れる。
見た後、ファミリーマートでコーラを
買いたくなった。
何のことって?それは見てのお楽しみ。


■個人的ハマリ度 ★★★★(★5つが最高)
ビデオメーカー
私の頭の中の消しゴム ナビゲートDVD ~君が僕を忘れても~

 
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